ハイポジション(通称ハイポジ)テープ


CASSETTE EXPRESSでは、より優れた音質を求めるアーティストからニーズが高いハイポジションテープ(Type II・通称「ハイポジ」)の量産を特注料金にて承ります。リアルタイムにカセットを経験された方にとっては、こだわりのテープを録音する際に「値段が高いけど」好んで使った懐かしい音楽メディアです!

原材料が酸化鉄の一般的な「ノーマルテープ」に対して、レアメタルのコバルトが原材料のハイグレードな「ハイポジテープ」は、飽和や歪みを軽減してノーマルテープと比較してカセット特有のヒスノイズを抑え、ダイナミックレンジが広がって中高域特性がよいとされています。

一方、低音の迫力に関してはノーマルテープの方が良い場合が多くあり、ハイポジ対応機でないとテープが持つ特性を十分に発揮出来ず、音質に悪影響となる場合もあります。

【 再生機の対応 】
再生機によっては、磁気テープの種類によって本体を設定するセレクターが付いており、ノーマルテープは「Type I (Normal)」、ハイポジテープは「Type II (CrO2)」に設定します。また、再生イコライザ設定も付いた機種もあり、ノーマルテープは「120µs」、ハイポジテープは「70µs」を選択します。適切に録音されたハイポジテープをノーマルポジション設定で再生した場合、約4dB強調されると言われております。現在、市販されているほとんどの再生機はノーマルテープ再生目的に製造されております。

【 カセットテープの対応 】
カセット本体にはハイポジション検出穴(再録防止用のタブ穴の横側)が付くようになっており、再生機側にはハイポジション検出穴を認識して設定するオートテープセレクター機能が掲載された機種も製造されておりました。現在、市販されているほとんどのカセットテープはノーマルテープとなっており、新品のハイポジテープはほとんど量産されていない状況です。

【 CASSETTE EXPRESSの対応 】
⚫︎新品製造のコバルト酸化鉄が原材料の「ハイポジ」テープ製作を特注料金にて承ります(50本〜・価格は約4-5割増・数量によって異なります)。

⚫︎現在、ご用意可能なハイポジ専用本体(検出穴付き)はスモーククリアのみとなりますが、特注にて透明系(ブルー・レッド・グリーン・イエロー・ピンク)のカラーにも対応いたします。また、検出穴の有無に関わらず全てのカセット本体カラーにハイポジテープを挿入することは可能です。(オートテープセレクター掲載機器で再生される場合には、検出穴が付いたカセット本体である必要があります)。

⚫︎ハイポジテープにて対応可能な最大分数は、両面で60分(片面30分 x 2)までの音源となります。

⚫︎ハイグレードな磁気テープをご利用いただくにあたり、ご発注いただく際にはテストテープ(検証盤)で収録音源のご確認を必須とさせていただき、ご確認いただいた後に量産に移行いたします。

尚、限定生産の為、ご発注いただくタイミングによっては直ぐにご用意できない場合があり、納期が通常より長くなる場合がございますので、予めご了承ください。

【 磁気テープの特性参考比較 】

項目 ノーマル(Type I) ハイポジ(Type II)
保磁力(Oe) 325 540
残留磁束密度(Gauss) 1700 1700
全高調波歪み率(dB) +3.0 +2.6
3次高調波歪み(%) 0.7 2.0
相対テープ感度・315 Hz (dB) 0.0 -1.0
相対テープ感度・3150 Hz (dB) +1.0 -1.1
相対テープ感度・10 kHz (dB) +3.6 -1.5
相対テープ感度・12.5 kHz (dB) +4.5 -1.0
相対テープ感度・15.5 kHz (dB) +4.7 -0.6
レベル/バイアスノイズ比(dB) -52 -60