基本的なマスター入稿方法に関しましては、下記「①入稿ファイル形式〜②テープ分数」のみご参照ください。
①入稿ファイル形式
【 フォーマット 】
WAVまたはAIFFのオーディオ・ファイル形式で入稿をお願いいたします。
ご発注いただく際、ファイル転送サービス(ギガファイル便やfirestorageなど)のご使用を推奨しております。
【 ビットレート/サンプリング周波数 】
工場における進行は「16bit / 44.1kHz」でのご入稿をお願いしております。ご希望によってオプション料金でお客様の高いレートのフォーマット(例:24bit / 48kHなど)のマスターを弊社にて16bit / 44.1kHzへの書き出しのみ対応いたします。
一方、リアルタイムダビングやハイポジションテープご希望の場合、「オプション(追加料金)」で最大24bit / 88.2kHzまでのハイレートでのご入稿が可能です。ハイレートの製造は海外工場で行うため、納期は7-8週間ほどになります。
※お急ぎプラン、エコ仕様プラン、COTMプランについては、16bit / 44.1kHzのみとさせていただいております。
【 推奨ファイル 】
曲数に関わらずA面全曲で1ファイル、B面全曲で1ファイルにまとめていただき、曲間を付けてご入稿を選好しております。また、A/B両面ともに同一のビット/サンプリングにてお願いいたします。ご入稿データ通りにスピーディに工程を進行でき、納期短縮につながります。
【 ファイル名 】
入稿ファイル名には、①品番、②A/B面の表記をお願いいたします(例 : ABCD-0001_SIDE-A.wav、ABCD-0001_SIDE-B.wavなど)。
仮に曲毎に分かれたファイルでご入稿される場合、必ず曲間を付けて同一のビット/サンプリングでご入稿ください。
その際、ファイル名には①品番、②A/B面の表記、③曲順表記をお願いいたします(例 : ABCD-0001_SIDE-A01.wav、ABCD-0001_SIDE-A02.wav … / ABCD-0001_SIDE-B01.wav、ABCD-0001_SIDE-B02.wav …など)。
②テープ分数
【 分数の種類 】
当サイトでは、価格の目安として10分・20分・30分・46分・60分の参考価格を掲載しておりますが、実際の製造はご入稿いただいた音源の長さに合わせて収録を行います。よって、10分・20分など丁度の長さに音源を合わせる必要はございません。
収録時間は片面(A面・B面)でそれぞれ半分となり、収録時間が長い方の面に合わせて調整いたします。例えば、A面5分・B面6分の場合、長い方の6分に合わせたテープとなります。
【 最大分数 】
通常の収録分数は、両面で64分(片面32分 x 2)までとなりますが、オプションで両面で90分(片面45分 x 2)まで対応いたします。また、在庫動向によって両面で最大往復120分が対応可能な場合もございますので、ご希望の場合はご相談ください。
因みに市販のC-30やC-60のテープは、Cassetteの頭文字「C」に収録可能な時間を表したもので、C-30は両面で30分、C-60は両面で60分となります。
③テストテープ
オプション料金(1回6,000円)で音源の検証盤となる「テストテープ」の製作が可能です。テストテープは音源のみを収録いたしますので、レーベルやジャケットがないカセット本体のみをお送りいたします。テストテープをご希望の際、お送りいたしましたテストテープの音源をご承認いただいてからの最終量産となりますので、追加の製造日数が必要となります。
④磁気テープ種類
カセットテープには電気的特性に応じて Type I、Type II、Type III、Type IVの4グループがあります。
⚫︎Type I:「ノーマルテープ」または「ノーマルバイアステープ」と呼ばれており、その磁気には酸化鉄が使用されている基本的なテープです。
当サイトでは音楽グレードに適した「ノーマルバイアステープ」を標準仕様としております。 再生イコライザ時定数は120μs。
⚫︎Type II:「ハイポジションテープ」または「ハイバイアステープ」と呼ばれており、磁気には記録特性を向上させる為に二酸化クローム(CrO2 – 後にコバルト添加酸化鉄)が使用されています。
当サイトでは、オプションの追加料金にて酸化コバルトの「ハイポジションテープ」をご用意しております。このハイポジションテープは飽和や歪みを軽減。ノーマルテープと比較して目立ちやすいヒスノイズを抑え、よりクリアな再生を実現します。再生イコライザ時定数は70μs。
⚫︎Type III:表層にType IIに使用されるクローム酸化鉄・下層にType Iに使用される酸化鉄の二層塗りテープです (Type IIIは現状において量産されておりません)。
⚫︎Type IV:酸化されていない鉄合金磁性体を使用したテープで、メタルテープとも呼ばれています (Type IVは現状において量産されておりません)。
ハイポジションテープはヒスノイズが低く、ダイナミックレンジが広がって高域特性がよいとされています。一方、低音の迫力に関してはノーマルテープの方が良い場合が多くあります。
再生機器によっては、磁気テープ種類に設定を合わせるセレクターが付きのものもあり、ノーマルテープは「Normal」「Type I」、ハイポジションテープは「Type II」「CrO2」を選択して再生します。自動的にテープ種類を選択する機能が付いた機種もあります。
また、再生イコライザ設定の機能も付いた再生機器もあります。カセットテープの再生イコライザ時定数はノーマルテープでは「120µs」、ハイポジションテープでは「70µs」です。適切に録音されたハイポジションテープをノーマルポジションで再生した場合、約4dB強調されると言われております。
一方、これらのセレクターが付いている機器でないとテープが持つ特性を十分に発揮出来ず、音質に悪影響となる場合もあります。現在、市販されている再生機器の多くには上記セレクターが付いておらず、ノーマルテープ専用となっているものがほとんどです。
下記は通常進行に使用する磁気テープの特性です。
項目 | ノーマルバイアス(FERRIC) Type I |
ハイバイアス(COBALT) Type II |
---|---|---|
保磁力(Oe) | 325 | 540 |
残留磁束密度(Gauss) | 1700 | 1700 |
全高調波歪み率(dB) | +3.0 | +2.6 |
3次高調波歪み(%) | 0.7 | 2.0 |
相対テープ感度・315 Hz (dB) | 0.0 | -1.0 |
相対テープ感度・3150 Hz (dB) | +1.0 | -1.1 |
相対テープ感度・10 kHz (dB) | +3.6 | -1.5 |
相対テープ感度・12.5 kHz (dB) | +4.5 | -1.0 |
相対テープ感度・15.5 kHz (dB) | +4.7 | -0.6 |
レベル/バイアスノイズ比(dB) | -52 | -60 |